レチノールを使い始めたら肌が赤くなって心配…これって使い続けても大丈夫なの？
せっかく高い美容液買ったのに、肌がヒリヒリして辛い…

レチノールは美肌効果の高さから多くの化粧品に配合され、注目を集めている成分です。

しかし、使い始めに「A反応（レチノイド反応）」と呼ばれる肌トラブルが発生することがあり、不安に感じる方も少なくありません。

この記事では、レチノールのA反応の正体や症状、発症期間、対処法を詳しく解説します。

レチノールの美肌効果を最大限に引き出すために、正しい知識を身につけましょう！

編集部

レチノールとは？

レチノールは、ビタミンAの一種です。

肌のターンオーバー（肌細胞の生まれ変わり）を促進し、コラーゲンの生成を助ける効果が期待できます。

上記のようにレチノールはさまざまな美肌効果が期待でき、化粧品やスキンケア製品に広く配合されています。

レチノールにはいくつかの種類があり、大きく分けると「純粋レチノール（ピュアレチノール）」と「レチノール誘導体」の2種類に分類されます。

レチノールは科学的にも効果が認められており、特にシワ改善については医薬部外品の有効成分としても承認されています。

美容効果が高い分、肌への刺激も強い成分であるため、使用開始時に「A反応」と呼ばれる一時的な肌トラブルが発生することがあります。

レチノールのA反応が発生する理由

レチノールのA反応（レチノイド反応）とは、レチノールやレチノイン酸を肌に塗布した後に急激に新陳代謝が促されることで起こる肌の一時的な炎症反応です。

「ビタミンA反応」や「レチノールバーン」とも呼ばれています。

A反応が起こる主な理由は、以下の2つです。

ビタミンA不足の肌に急激に補給するため

もともと肌にビタミンAが不足している状態では、「レチノイド受容体」の量も少なくなっています。

レチノイド受容体とは？
レチノイド受容体とは、ビタミンA（レチノールなど）を受け取って細胞に作用させるタンパク質です。

この状態でレチノールを急に塗布すると、受容体で処理しきれないビタミンAが肌に残ります。

その余分なビタミンAが刺激となり、炎症反応として肌に現れることがあります。

ビタミンAの皮脂抑制作用による

レチノール（ビタミンA）には、皮脂生成を抑制する作用があります。

皮脂は肌の保湿にも重要な役割を果たしているため、皮脂が減少することで一時的に肌が乾燥しやすくなります。

この乾燥により、バリア機能が低下して刺激に敏感になることがA反応が起こる原因です。

A反応は一見すると肌トラブルのように見えますが、実は「肌がレチノールに反応して、ターンオーバーが正常化しつつある」という証拠でもあります。

A反応はレチノールが効いている証拠なので、過度に心配する必要はありません。

レチノールのA反応で現れる主な症状

レチノールのa反応で現れる症状は人によって異なりますが、主に以下のような症状が見られます。

いくつかの症状が同時に現れることもあれば、特定の症状だけが現れることもあります。

ヒリヒリとした痛み・かゆみ

レチノールを使用すると、肌が敏感になり、ヒリヒリとした痛みやかゆみを感じることがあります。

化粧水や美容液などを使うときに、しみるような感覚を感じる方もいらっしゃいます。

痛みやかゆみが強い場合は、レチノールの使用頻度を減らすか一時的に中止して様子を見ましょう。

乾燥・皮むけ

レチノールの皮脂抑制作用と角質層のターンオーバー促進により、肌が乾燥したり、皮むけが起こることがあります。

皮むけと赤みが同時に出現するケースも多く、レチノール使用に伴う乾燥症状の代表例です。

赤み・かぶれ

レチノール使用後に肌に赤みやかぶれが発生することもa反応の一種です。

症状が重い場合には、火傷のように赤く腫れぼったくなることもあります。

これは、レチノールによる皮脂の産生低下や細胞同士の接着が弱まり、皮膚が薄く敏感になっていることが原因です。

細かいブツブツ

レチノールの使用で隠れていたコメド（ニキビの初期段階）が表面化し、細かいブツブツが目立つようになることがあります。

これは肌の奥にあった不要物が押し出されてくる過程で起こり、レチノールが正しく作用している証拠でもあります。

腫れ

目元や口元など皮膚の薄い部分では、レチノールによる刺激で腫れが生じることがあります。

これは肌の免疫反応の一種で、通常は数日で治まりますが、症状が強い場合は使用を中止しましょう。

レチノールのA反応はいつからいつまで続く？

レチノールのa反応の発症時期と持続期間について理解しておくと、不安を軽減しながらレチノールを使い続けられます。

レチノール使用開始後1〜5日で症状が現れやすい

レチノールのa反応は、使用を始めてから比較的早い段階で現れることが多いです。

具体的には使用開始後1日〜5日程度で症状が出始めることが一般的です。

以下の場合は、注意が必要です。

症状の持続期間は1週間〜1ヶ月程度

a反応の症状がどのくらい続くかは個人差がありますが、多くの場合1週間から長くても1ヶ月程度で収まることが多いです。

これは、肌がレチノールに徐々に慣れていく過程です。

もし1ヶ月以上症状が続く場合は、a反応ではなく別の肌トラブルの可能性もあるので、皮膚科医に相談したほうが良いでしょう。

a反応は肌がレチノールに慣れると収まる

レチノールを継続的に使用していると、肌細胞内のレチノイド受容体が増え、レチノールを効率的に吸収できるようになります。

そのため、使い始めに出ていたa反応も徐々に出なくなっていきます。

適切な頻度と濃度でレチノールを使い続けることで、a反応を最小限に抑えながら、美肌効果を最大限に引き出すことが可能です。

レチノールのA反応が出やすい人と出にくい人の特徴

レチノール使用時に起こるA反応（レチノイド反応）は、肌質や体調などによって出やすさに個人差があります。

ここでは、A反応が出やすい人と出にくい人の特徴を紹介します。

A反応が出やすい人の特徴

乾燥肌や敏感肌、アレルギー体質の方は肌のバリア機能が弱く、レチノールの刺激に反応しやすいです。

また、ストレスや疲労がたまっているときは肌の回復力も落ちているため、A反応が出やすくなります。

ビタミンAが不足している状態で高濃度の製品を使うと、受容体が対応しきれず炎症が起こることもあります。

A反応が出にくい人の特徴

ビタミンAへの耐性がある方や、レチノールを継続して使っている方は、肌が刺激に慣れているためA反応が出にくくなります。

レチノイド受容体が十分にあるとビタミンAを効率よく吸収でき、肌に余分な刺激が残りません。

低濃度から徐々に慣らした場合も、肌への負担が少なく安定して使用できます。

レチノールのA反応が出たときの対処法

レチノールを使用した際にa反応が出ても、慌てる必要はありません。

以下のような対処法を試して、肌の状態を改善しましょう。

使用頻度と濃度を調整する

a反応が出た場合は、まずレチノールの使用頻度を減らしましょう。

毎日使用していた場合は週2〜3回に減らすなど、肌への負担を軽減します。

また、使用している製品の濃度が高すぎる場合は、より低濃度の製品に切り替えることも検討しましょう。

肌がレチノールに慣れてきたら、徐々に頻度や濃度を元に戻していくことができます。

保湿ケアを徹底する

レチノールによる乾燥やバリア機能の低下を補うために、保湿ケアを徹底しましょう。

セラミドやヒアルロン酸など、保湿効果の高い成分を含む化粧水やクリームを使用すると効果的です。

レチノール使用後は、普段よりも念入りに保湿することで、a反応を緩和できることがあります。

非ステロイド系の抗炎症剤を使用する

症状が強い場合は、「非ステロイド系の抗炎症剤」や「グリチルレチン酸ジカリウム」などの成分を含む薬用化粧品を使用することも効果的です。

これらは肌の炎症を抑える働きがあり、a反応の症状を和らげることができます。

ただし、自己判断での医薬品使用は避け、必要に応じて皮膚科医に相談しましょう。

日焼け対策を徹底する

レチノール使用中は肌が紫外線に敏感になっているため、日焼け対策を徹底することが重要です。

日焼け止めはこまめに塗り直さないと、効果が薄れてしまうので注意しましょう。

刺激の強い成分との併用を避ける

a反応が出ている間は、刺激の強い成分との併用は避けましょう。

複数の刺激成分を同時に使用すると、肌への負担が増大し、症状が悪化する可能性があります。

レチノールのA反応を予防するための対策

レチノールの適切な使用方法を心がければ、a反応の症状を軽減したり予防したりできます。

以下に、レチノールのa反応を予防するためのポイントを紹介します。

低濃度のレチノール製品から始める

レチノール初心者は、まず低濃度（0.01%〜0.03%程度）の製品から始めることのがおすすめです。

肌がレチノールに慣れてきたら、徐々に濃度を上げていくことで、a反応のリスクを低減しながら効果を高めることができます。

また純粋レチノールよりも、パルミチン酸レチノールやリノール酸レチノールなどのレチノール誘導体から始めるのも良いでしょう。

これらは純粋レチノールよりも刺激が少なく、a反応も起こりにくい傾向があります。

段階的に使用頻度を増やす

いきなり毎日使用するのではなく、週1〜2回の使用から始め、肌の状態を見ながら徐々に頻度を増やしていきましょう。

具体的には、以下のようなステップアップがおすすめです。

肌の状態に合わせて、無理のないペースで増やしていきましょう。

使用量を守る

レチノール製品は「多く塗れば効果が高まる」というものではありません。

指定の使用量（多くの場合、パール粒大やエンドウ豆大）を守りましょう。

使用量が多すぎると、肌への負担が増え、a反応のリスクも高まるため、適切な量を守ることが大切です。

バッファリング法を試す

初めてレチノールを使用する場合は、「バッファリング法」を試してみるのも効果的です。

バッファリング法とは？
保湿クリームを先に塗り、その上からレチノール製品を使用する方法です。

保湿クリームがクッションとなり、レチノールの刺激を緩和してくれます。

適切なスキンケア順序で使用する

レチノールを使用する際の基本的なスキンケア順序は、以下の通りです。

ただし、レチノール製品の種類（美容液、クリームなど）によって適切な順序は異なることがあるため、製品の説明書に従うようにしましょう。

肌のコンディションが良い時に使用する

以下のようなとタイミングでは、レチノールの使用を避けるか、使用頻度を減らしましょう。

肌のコンディションが良い時に使用することで、a反応のリスクを低減できます。

レチノールのA反応まとめ

レチノールのa反応について、詳しく解説してきました。

ここでポイントをおさらいしましょう。

レチノールの使い始めには、一時的にa反応が起こることがあります。

しかし、これは肌がレチノールに反応している証拠でもあり、適切な対応を行うことで乗り越えられるものです。

a反応が強く出る場合や長引く場合は無理に使用を続けず、皮膚科医に相談することをおすすめします。

自分の肌質や状態に合わせて、レチノールと上手に付き合っていきましょう。

編集部

レチノールのa反応は怖いものではなく、むしろ肌が正常に反応している証拠です。

使い方を工夫して、少しずつ試すことで、a反応を最小限に抑えながらレチノールの効果を得られます。