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2018年10月19日

【ヨウ素】新陳代謝をコントロールするミネラル|栄養成分辞典

大塚(企画部)

大塚(企画部)

ヨウ素とは

 

ヨウ素は甲状腺から分泌される「甲状腺ホルモン」の構成成分です。

体内の代謝を高めて成長を促す働きがあり、エネルギーを作りやすくしたり、髪や皮膚を美しく保ちます。

ヒトの体内には約10mgのヨウ素が存在しており、その大半は甲状腺に存在しています。

 

甲状腺とは

首の正面の真ん中あたり(のどぼとけの下あたり)に、蝶々(甲状腺)が羽を広げて止まっているような形をしている器官です。

とても柔らかく、手で触ってもなかなか分かりづらい部位です。

食事で摂取したヨウ素を材料に、甲状腺ホルモンが作られます。

甲状腺は「フィードバック機構」という仕組みで成長・代謝促進ホルモンである「甲状腺ホルモン」の分泌量を調整しています。

 

甲状腺ホルモン分泌の流れ

①脳下垂体から「甲状腺刺激ホルモン」が分泌→甲状腺ホルモンup

②甲状腺ホルモンの分泌多くなりすぎると、脳下垂体が「甲状腺ホルモンが多い」ことを察知、「甲状腺刺激ホルモンは休みなさい」と信号を出す→甲状腺ホルモンdown

(③甲状腺ホルモンの分泌が足りなくなると、②の逆で、「足りないからもっと分泌するよう」に働きかける)

このように、甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモンは互いに密接に関係しています。

 

ヨウ素は不足しても、過剰になっても甲状腺肥大・甲状腺腫を引き起こすミネラルです。

不足すると、甲状腺腫以外にも脱毛や皮膚の異常、体力の低下、体重増加、成長障害などが現れます。

ヨウ素は昆布、わかめ、焼きのり、いわし、さば、かつお、ブリ、寒天などの海産物に多く含まれています。

海から遠い内陸の国では不足しがちなので、食塩にヨウ素を添加して摂取している国も多いです。

日本は、魚介類・海藻類をよく食べる習慣があるので不足しづらく、むしろ過剰症のほうが引き起こされる可能性が高いと言われています。

 

主なはたらき

・成長促進

・髪や皮膚を美しく保つ

・エネルギーを生み出す

 

1日に摂る量

≪1日に必要とされる量 ※30~49歳成人の場合≫

・推定平均必要量:男性95μg、女性95μg

・推奨量: 男性130μg、女性130μg

・耐容上限量:3,000μg 

 

※用語の解説はこちら

 

不足すると…

疲労感

ヨウ素は三大栄養素の代謝を促し、エネルギーを作りやすくしています。

このため、不足すると元気が無くなったり、疲れをかんじやすくなったり、むくみや体重増加が起こります。

 

甲状腺ホルモンが関係する主な疾患

甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症はバセドウ病とも呼ばれ、甲状腺ホルモンが出すぎて新陳代謝が強くなる病気です。

主な症状は「イライラする」「動悸がする」「脈が速い」「暑がり」「手が震える」「食欲旺盛」などです。

 

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンがなかなか出ず足りないために代謝機能が弱まる病気です。

生まれつきの場合「先天性甲状腺機能低下症」と呼ばれ、別名「クレチン病」とも言います。

主な症状は「元気がなくなる」「顔がむくむ」「めまい」「寒がり」「便秘」「白髪が増える」などです。

 

橋本病

自己免疫の異常が原因で、甲状腺に慢性的な炎症が起きてしまう病気で「慢性甲状腺炎」とも呼ばれます。

30~40代の女性が多く、幼児や男性は稀です。

症状炎症の程度によって左右され、軽ければ甲状腺機能は正常ですが、炎症が激しくなると甲状腺の働きが悪くなり、甲状腺機能低下症と同じ症状を呈します。

 

多く含まれる食品

ヨウ素を多く含む主な食品

食品名 1食分の目安量(g) ヨウ素含有量(μg)
昆布 (乾燥) 5g(5㎝角)  12,000 
焼きのり 1g(1枚) 21
 ところてん 100g  240 
昆布の佃煮  15g(大さじ1杯)  1,650
 まだら 100g(大1切)  350 
まいわし  50g(1尾)  14 
ししゃも 30g(1尾) 22
あさり  50g(中5個)  27.5 
 牡蠣 50g(大1個)  36.5 

 

ヨウ素は海水中に多く存在するため、海藻類や魚介類に豊富に含まれています。

海産物を取り入れた伝統的な日本食を食べていれば、不足することはほとんどありません。

 

摂取するときのポイント

日本人は昆布や海藻を食べる習慣がある(例:味噌汁など)ので不足しない栄養素だと言われていますが、欧米の肉食に偏った食習慣の人、インスタント食品が多い人は意識して海藻類を取ったほうがいいでしょう。

 

大塚(企画部)

この記事を書いた人

大塚(企画部)

大学時代、栄養学を専攻し在学中に管理栄養士免許を取得。現在は商品開発や情報発信に役立ててます。

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