栄養のこと

2018年07月31日

【アスタキサンチン】強い抗酸化力でカラダを守る赤パワー|栄養成分辞典

大塚(企画部)

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アスタキサンチンとは

 

アスタキサンチンは、緑黄色野菜に多く含まれているβカロテンと同じ、カロテノイド系の赤色色素物質で、サケ、えび、かになどに含まれています。

強い抗酸化力を持っていることでも知られており、その力はなんとビタミンEの約1,000倍にも達し、「史上最強のカロテノイド」ともいわれています。

 

アスタキサンチンの効果

アスタキサンチンが体にもたらす良い点は、全てこの抗酸化力によるものだといわれています。

 

活性酸素と抗酸化

私たちの体は、何兆という細胞で構成されています。

そんな体を維持し、エネルギーを生み出すために必要な酸素。

しかし、その一部はバランスを崩すと活性酸素に変化し、体のいたる場所に影響を与えます。

例えば、中性脂肪が活性酸素によって酸化されると過酸化脂質に変化し、動脈硬化などの原因にもなる悪玉脂質になってしまうのです。

その他にも、皮膚の色素沈着やシワを作る原因になるといわれています。

「燃えカス」や「産業廃棄物」みたいにイメージしてもらうと、分かりやすいかと思います。

私たちの体には、活性酸素の発生を制御したり、生じたダメージを修復・再生するための機能が備わっています。

このような働きを総称して『抗酸化作用』と言います。

通常、発生した活性酸素は抗酸化作用によって速やかに消去されますが、逆に活性酸素が増える要因として、酸化ストレスが挙げられます

例えば、心理的・肉体的ストレス、過度な紫外線・放射線、喫煙、酸化した食品を食べるなど、私たちは日常生活においてたくさんの酸化ストレスにさらされています。

下記の図は、抗酸化のメカニズムについて示したイラストです。

 

アスタキサンチンのような抗酸化物質はこの活性酸素を消去することで、脂質の酸化を防いでくれます。

この働きによって、得られるさまざまな効果をご紹介します。

 

眼精疲労

アスタキサンチンの強い抗酸化作用は、目の新陳代謝を促し眼精疲労を防いだり、ピント調節機能を良好に保ってくれるといわれています。

また、脳や網膜は非常に精密で繊細な場所なので、通過しようとする成分をフィルターにかける「関所」が存在します。

網膜には「血液網膜関門」が存在しますが、アスタキサンチンはその膜を通過して網膜に到達することができる限られた成分なのです。

ちなみに、抗酸化作用で有名なビタミン類は、通過することができません。

アスタキサンチンは網膜を酸化ダメージから守る貴重な成分と言えるでしょう。

近年では、白内障との関連についても示唆する研究報告があるので、今後の解明に期待です。

 

脳血管疾患

脳は体の中でも最も多くの酸素を消費する器官で、その量は体に取り入れる酸素の約20%だといわれています。

活性酸素は、いわば酸素の燃えカス。

たくさんの酸素を使う分、活性酸素も発生しやすい上、脳の血管は非常に細かいのでダメージがつきやすいです。

アスタキサンチンは、脳に存在する「血液脳関門」を通過して入り込むことができ、その強い抗酸化作用で血管を健康に保ってくれます。

 

動脈硬化

血液中のLDLコレステロールが酸化されると、血管壁にどんどん溜まっていき徐々に本来の柔軟性を失っていきます。

その結果、血流が滞り、詰まってしまうことで動脈硬化を引き起こしてしまいます。

アスタキサンチンは、コレステロールや中性脂肪が酸化されるのを防ぎ血液をサラサラにして、健康的な血管の維持にはたらきかけます。

 

アンチエイジング効果

活性酸素が増えると、血管や肌の細胞にダメージを与えてしまうため、シミやシワができるといった老化現象を引き起こします。

アスタキサンチンは、活性酸素を除去する力が非常に強いのでアンチエイジングにも効果を発揮します。

また、血管を健康に保つ働きがあり、新陳代謝も活発にしてくれます。

いつまでも若々しく、綺麗でいたい女性にとっておすすめの成分です。

 

1日に摂る量・多く含まれている食品

アスタキサンチンは色素の1種であり、必須栄養素としての位置付けではないため、食事摂取基準2015年版にて摂取量は設定されていません。

また、文部科学省が発行している「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」にも記載がないため、具体的な数値での記載は控えさせていただきます。

アスタキサンチンは一般的に「海にすむ赤い魚介類に多く含まれている」といわれています。

その理由としては、海に生息する”ヘマトコッカス藻”という植物プランクトンを捕食することだと考えられており、具体的にはサケやえび、かになどが挙げられます。 

 

アスタキサンチンの豆知識

赤身の魚の定番マグロにアスタキサンチンは含まれているの…?

先ほど、「赤い魚介類に多く含まれている」と書きましたが実は例外もいます。

例えば、マグロやカツオ。

刺身やお寿司では色鮮やかな赤色をしており、その印象も強いと思います。

実は、アスタキサンチンは通常たんぱく質と結合してくすんだ色をしているのですが、加熱するとたんぱく質と分離して鮮やかな赤色に変化する特徴を持っています。

サケやえびやかには火を通しても鮮やかな赤色のままですが、マグロやカツオは加熱すると、一般的な魚同様にくすんだベージュ色になります。

”加熱”はアスタキサンチンを含んでいるか含んでいないの見分けるときのひとつのポイントです。

 

激流の川をのぼるサケが力尽きない理由

川で孵化した稚魚は、海に降り回遊し、エサを食べ大きく成長します。

そして、産卵のため生まれ故郷の川へ向かうサケには”遡上(流れにさかのぼっていくこと)”という試練が待ち構えています。

ヒトも水の流れに逆行して動くことが難しいように、サケにとっても非常に体力を消耗する遡上。

それでも、無事川に戻ってこれるヒミツの1つに”アスタキサンチン”が関わっているといわれています。

サケはもともと白身魚で、成長の過程で植物プランクトンの”ヘマトコッカス藻”を捕食することで、アスタキサンチンを取り込み、赤身を帯びます。

ストレスいっぱいのサケの体に溜まった活性酸素を、アスタキサンチンが除去することで体力を回復させるのです。

 

調理や保存のポイント

えびやかにの身にも含まれますが、特に多く含まれているのが殻です。

かにを殻ごと食べることは少し難しいですが、えびであれば「小えび」や「桜えび」など、工夫次第では殻ごと食べることも可能です。

また、アスタキサンチンは油に溶けやすい性質があるので、かき揚げなど、油を使った調理法で摂取する方がより効率よく吸収することができるのでおすすめです。

大塚(企画部)

この記事を書いた人

大塚(企画部)

大学時代、栄養学を専攻し在学中に管理栄養士免許を取得。現在は商品開発や情報発信に役立ててます。

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