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2018年07月25日

【マグネシウム】代謝を助け、ミネラルバランスを整える栄養素|栄養成分辞典

添田(企画)

添田(企画)

マグネシウムとは

 

マグネシウムは、約300種類の酵素反応に関わっており、体内で行われているほとんどすべての代謝や合成反応に必要となる重要なミネラルです。

三大栄養素の代謝にも関与しており、摂取した栄養素からエネルギーを作り出したり、たんぱく質や核酸の合成を助けたりする上でも必要不可欠な存在です。

 

また、マグネシウムは体内のミネラルバランスを整える役割も担っており、特にカルシウムと深い関係にあります。

体内のマグネシウムの約60%は骨に含まれ、カルシウムやリン酸とともに骨を構成しています。

丈夫な骨や歯を形成するために重要なミネラルの一つです。

さらにカルシウムが筋肉収縮を正常に行う上でもマグネシウムは欠かせません。

マグネシウムが不足すると、カルシウムが筋肉細胞に入りすぎて、筋肉の収縮がスムーズにできなくなり、痙攣やふるえを起こしてしまいます。

また、カルシウムが血管壁に沈着するのを防ぎ、動脈硬化を予防する働きもあります。

 

マグネシウムの残りの約40%は脳や筋肉、神経に存在しており、神経の興奮を鎮める、体温や血圧を調節するといった働きもあります。

そのほか、月経前症候群(PMS)に伴うイライラや気分の落ち込みなどの情緒不安定を落ち着かせる効果も期待されています。

 

主なはたらき

・酵素反応に関与し、ほとんどの代謝や合成を助ける

・ミネラルバランスを整える

・丈夫な骨や歯をつくる

・神経の興奮を鎮める

・体温や血圧を調節する

・月経前症候群(PMS)の症状緩和

 

1日に摂る量

≪1日に必要とされる量 ※30~49歳成人の場合≫

・推定平均必要量:男性310mg、女性240mg

・推奨量:男性370mg、女性290mg

・耐容上限量:なし

 

※用語の解説はこちら

 

 
 
 

不足すると…

マグネシウムは幅広い食品に含まれているため、通常の食生活において欠乏する心配はそれほどありません。

ただし、多量のアルコール摂取や長期にわたる利尿降圧剤の服用により、マグネシウム排泄量が増大すると、欠乏症を起こすことがあります。

 

筋肉のけいれん

筋肉の収縮活動が低下し、まぶたがピクピクと痙攣するようになったり、足がつりやすくなったりします。

さらにひどくなると、テタニー(筋肉の痙攣)やてんかん(全身の痙攣)がみられることもあります。

 

月経痛・月経前症候群(PMS)

女性の場合、マグネシウムが不足することで月経痛がひどくなったり、月経前症候群(PMS)によるイライラや気分の落ち込みなどがみられやすくなったりします。

 

不眠症

マグネシウムには神経興奮を鎮め、リラックス状態に導く働きがあるほか、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を活性化し入眠しやすい状態をつくる効果もみられています。

そのため不足すると、睡眠パターンが乱れ眠れにくくなり、不眠症になることがあります。

 

高血圧・心筋梗塞・動脈硬化

マグネシウムは血圧安定にも関与しているため、不足することで高血圧になりやすく、心筋梗塞や動脈硬化のリスクが高まります。

 

糖尿病

また、酵素反応に関わるマグネシウムが不足すると、血糖値を下げるインスリンが分泌されにくくなり、糖尿病のリスクが高まることも示唆されています。

 

 

 

摂りすぎると…

耐容上限量は設定されていない

マグネシウムは通常、大量に摂取しても汗や尿と一緒に体外へ排泄されます。

そのため、健康な方であれば通常の食事においてマグネシウムの過剰摂取になるリスクは低いと考えられており、耐容上限量は設定されていません。

 

腎機能障害がある場合は注意

ただし、腎臓機能に障害がある場合や高齢者においては、過剰摂取により「高マグネシウム血症」の発症リスクが高まるので注意が必要です。

症状としては、吐き気・下痢・立ちくらみ・倦怠感など。

ひどくなると昏睡状態や心停止を引き起こすこともあります。

腎機能障害が指摘されている場合や、高齢者、サプリメントを利用している場合は、過剰摂取に注意しましょう。

 

こんな人におすすめ

✓ストレスやいらいらが多い

✓骨や歯を強くしたい

✓足がつりやすい

✓加工食品に頼りがち

✓お酒をよく飲む

 

多く含まれる食品

マグネシウムを多く含む主な食品

食品名 1食分の目安量(g) 食塩含有量(mg)
ほうれん草 100g 69
アーモンド 20g(約20粒) 62
干しひじき 10g 62
玄米ごはん 120g(1杯) 59
大豆 50g 55
糸引き納豆 100g(1本) 50
カシューナッツ 20g(約15粒) 48
ごま 9g(大さじ1) 32

 

マグネシウムは玄米や胚芽米、全粒粉など、精製されていない穀物に多く含まれています。

精製過程で失われやすい栄養素なので、マグネシウム補給のためにはなるべく精製前の自然な状態から摂取できるといいでしょう。

アーモンドやカシューナッツ、落花生などの種実類も豊富なので、おやつにおすすめです。

 

摂取するときのポイント

不足しやすいのは

マグネシウムは精製の過程で失われやすいため、食品を加工すると含有量は少なくなってしまいます。

毎食のように加工食品やインスタント食品ばかりを食べていると、マグネシウムが不足しやすいため注意しましょう。

また、飲酒をすると多尿になりやすく、尿とともにマグネシウムも流れやすくなります。

お酒をよく飲む人は、おつまみにナッツ類や豆類を選ぶとマグネシウムを補うことができるのでおすすめです。

そのほか、睡眠不足や運動不足によってマグネシウムの消費量が増加するため、必要量が増えます。

 

カルシウムの過剰摂取に注意

カルシウムもまた、マグネシウムとともに骨や歯を形成する役割があり、不足しないよう意識したいミネラルです。

ただし、カルシウムを過剰に摂取するとマグネシウム不足を起こすことがあるため注意が必要です。

カルシウムは過剰に摂取しても尿中に排泄されるため過剰症の心配はそれほどないのですが、カルシウムをとればとるほどマグネシウムも消費されるため、ミネラルバランスが崩れやすくなります。

理想的なカルシウムとマグネシウムのバランスは「2:1」だと言われています。

両者のバランスをとりながら意識して補うようにしましょう。

 

理想的なバランスは「ひじき」

干しひじきに含まれるマグネシウムは、カルシウムの約半分であり、ほぼ理想的なバランスです。

(カルシウム10gあたり、カルシウム140mg、マグネシウム62mg)

また、重要なミネラルの一つである「鉄」や、腸内環境を整える「食物繊維」も豊富で、低エネルギーなため、生活習慣病予防のためにもぜひ日常的に取り入れたい食材だと言えます。

 

調理のポイント

マグネシウムは、ひじき・わかめ・あおさなどの海藻類に豊富で、少量でもしっかりと補給することができます。

汁物に入れたりサラダにトッピングしたりすることで、手軽に補うことができるのでおすすめです。

また、マグネシウムが豊富なほうれん草は「白和え」にすることで、マグネシウムを多く含む豆腐やごまも一緒に補うことができます。

添田(企画)

この記事を書いた人

添田(企画)

食べることが大好きな管理栄養士です。食と健康にまつわるお役立ち情報をお届けします♪

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