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2018年07月10日

【ナイアシン】三大栄養素の代謝やアルコール分解を助ける栄養素|栄養成分辞典

添田(企画)

添田(企画)

ナイアシンとは

 

ナイアシンは、水溶性ビタミンの一種で、ニコチン酸やニコチンアミドの総称です。

ビタミンB群に分類されており、かつては「ビタミンB3」とも呼ばれていました。

現在は、ナイアシンと命名されていますが、別名「ニコチン酸」と呼ばれることもあります。

 

ナイアシンは、三大栄養素の糖質・たんぱく質・脂質の代謝を助ける補酵素としての役割を担っています。

食べ物からエネルギーを生み出す過程で重要な栄養素です。

また、アルコールの代謝にも関与しており、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解する働きがあります。

そのほか、脂肪酸やホルモンの合成、DNAの修復や合成など、さまざまな反応に関与しています。

ナイアシンは幅広い食品から摂ることができ、必須アミノ酸の一つであるトリプトファンからも合成されます。

そのため、通常の食事をとっていれば基本的には不足の心配はありません。

皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあるため、肌荒れや口内炎が気になる時は、ナイアシンをはじめとするビタミンB群を意識して補うようにするといいでしょう。

 

主なはたらき

・糖質、たんぱく質、脂質の代謝に関与し、エネルギーの生成を助ける

・皮膚や粘膜、髪の毛、爪などを健康な状態に保つ

・アルコールの分解を助ける

・血行を良くする

・胃腸の調子を整える

 

1日に摂る量

≪1日に必要とされる量 ※30~49歳成人の場合≫

・推定平均必要量:男性13mgNE、女性10mgNE

・推奨量:男性15mgNE、女性12mgNE

・目安量:なし

・耐容上限量:男性350mgNE、女性250mgNE

 

※用語の解説はこちら

 
 
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、食品中のナイアシン量に体内で合成されるナイアシン量を加味し、体に必要な量として「ナイアシン当量(NEmg)」という単位が使われています。
 
 

*ナイアシン当量(NE)=ナイアシン+1/60トリプトファン

*耐容上限量はニコチンアミドの量、( )内はニコチン酸のmgを指します。

 

不足すると…

ナイアシンは、さまざまな食品に含まれているうえ、体内でも合成することができます。

そのため、不足する心配はほとんどありませんが、欠乏症として以下の症状が挙げられています。

 

口内炎・口角炎

不足すると、はじめのうちは口の中や周りに炎症が起こる口内炎や口角炎などの症状がみられるようになります。

 

倦怠感・食欲不振

また、エネルギー代謝が滞ることで、疲労感や倦怠感が強くなったり、食欲が減退したりします。

 

ペラグラ

ナイアシン不足が続くと、「ペラグラ」と呼ばれる皮膚病を発症します。

ペラグラとは、イタリア語で「荒れた皮膚」という意味。

主に、日光に当たる顔や手足に炎症が起きる病気で、ホットフラッシュと呼ばれる顔面紅潮やかゆみなどの症状が現れます。

また、ひどい場合には下痢や嘔吐などの胃腸障害が起こることもあります。

ペラグラは、ナイアシンの原料となるトリプトファン含有量の少ないとうもろこしを主食とする南米において、多くみられていた病気です。

日本ではあまり聞き慣れない病名ですが、アルコールを毎日大量に摂っていると発症することがあります。

 

摂りすぎると…

火照り・かゆみ    

通常の食事からの摂取においては、耐容上限量を超えることはほとんどなく、過剰症の心配はありません。

ただし、サプリメントや強化食品によってナイアシンを大量に摂取した場合に、血流が増加して顔の火照りや顔・全身のかゆみが出て赤くなることがあります。

また、吐き気や下痢などの胃腸障害や肝機能障害が起こることもあります。

サプリメントなどを利用する場合は、必ず目安量を守り耐容上限量を超えないように注意しましょう。

 

こんな人におすすめ

✓アルコールを多くとる

✓冷えが気になる

✓肌荒れや口内炎が気になる

✓胃腸が弱っている

 

多く含まれる食品

ナイアシンを多く含む主な食品

食品名 1食分の目安量(g) 成分含有量(mg)
たらこ 60(1腹) 29.7
びんながまぐろ 70 14.5
むろあじ 100(開き干し1尾) 13.5
かつお 70 13.3
レバー(豚) 70 9.8
レバー(牛) 70 9.5
焼き豚 70(4~5枚) 9.5
玄米ご飯 120(1杯) 3.5

 

ナイアシンは、さまざまな食品に含まれていますが、特に魚類や肉類に豊富です。

動物性食品には良質なたんぱく質が含まれており、必須アミノ酸のトリプトファンも同時に補いやすいため、おすすめです。

このほか、トリプトファンを多く含む食べ物には、牛乳やチーズ、玄米、落花生、アーモンドなどがあります。

 

摂取するときのポイント

不足しやすいのは

ナイアシンは幅広い食品に含まれているため、通常は不足しにくい栄養素です。

ただし、アルコールを分解する際に消費されるため、毎日多量にお酒を飲む方は、ナイアシン不足になりやすいため注意が必要です。

アルコールを摂取する際は、ナイアシンが豊富な肉や魚のおつまみを合わせて食べるのがおすすめです。

また、日常的にインスタント食品を食べ続けている場合も、ナイアシンが不足することがあります。

食生活が乱れがちな方は、注意しましょう。

 

調理のポイント

ビタミンB群は熱に弱いものが多いのですが、ナイアシンには熱に強く壊れにくいという性質があります。

水に溶けやすいため、加熱する場合は、煮汁ごと食べられる汁物や煮物にすると効率よく補うことができます。

野菜や果物を洗う際は、なるべく流出をおさえるため、手際よく洗うようにしましょう。

また、調理前に水につける場合も、長時間置いておくとナイアシンが流出してしまいますので、注意が必要です。

 

添田(企画)

この記事を書いた人

添田(企画)

食べることが大好きな管理栄養士です。食と健康にまつわるお役立ち情報をお届けします♪

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