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2018年07月04日

【ビタミンB12】悪性貧血を防ぎ、神経のはたらきを助ける栄養素|栄養成分辞典

添田(企画)

添田(企画)

ビタミンB12とは

 

ビタミンB12は、分子内にコバルトをもつビタミンの総称で、別名「コバラミン」とも呼ばれています。

赤色を示す水溶性のビタミンで、熱には安定していますが、光によって分解されやすいというのが特徴です。

 

ビタミンB群は主に筋肉や神経を正常に機能させるために欠かせないビタミンですが、中でもビタミンB12は、神経細胞内のたんぱく質やDNAの生成を助けるというはたらきを担っています。

そのため、「脳のビタミン」や「神経のビタミン」などとも言われており、認知症やアルツハイマー病などの脳神経に関わる症状において、改善・予防効果が期待されています。

 

また、ビタミンB12は葉酸と一緒に、赤血球に含まれるヘモグロビンの合成を助ける働きがあります。

健康的な血液を作るために欠かせないビタミンB12は、不足すると貧血を招きます。

(葉酸やビタミンB12の不足による貧血は「悪性貧血」といいます。)

 

 

そのほか、乱れた自律神経を整え、睡眠リズムを正したり時差ボケを改善したりするはたらきもあります。

 

主なはたらき

糖質、たんぱく質、脂質の代謝に関与

・脳神経機能を正常に機能させる

・アルツハイマー病やうつ病を予防する

・ヘモグロビンの合成を助け、悪性貧血を予防する

・睡眠リズムを整える

・バイオリズムを整え、時差ボケを改善する

 

1日に摂る量

≪1日に必要とされる量 ※30~49歳成人の場合≫

・推定平均必要量:男性2.0mg、女性2.0mg

・推奨量:男性2.4mg、女性2.4mg

・目安量:なし

・耐容上限量:なし

 

※用語の解説はこちら

 

 

不足すると…

 

 悪性貧血(巨赤芽球性貧血)

ビタミンB12と葉酸のどちらかが不足すると、DNAの合成が上手くできず、赤血球に含まれるヘモグロビンの合成も障害されます。

すると、赤血球になる前の赤芽球が異常に大きくなり(=巨赤芽球)、正常な赤血球が作られなくなります。

このために起こる貧血が巨赤芽球性貧血です。

また、その中でも、ビタミンB12の吸収障害により起こる場合に「悪性貧血」と呼びます。

悪性貧血の原因は、食事中のビタミン類が欠けていたり、消化吸収不良によって生じる場合がほとんどです。

症状として現れるのは、体のだるさ、知覚異常、めまい、動悸、息切れ、手足のしびれなど。

昔は治療法のない難しい病気とされていましたが、現在では葉酸とビタミンB12を補給すれば症状が改善されるようになりました。

 

心疾患・糖尿病・アルツハイマー病

心疾患や糖尿病、アルツハイマー病などにかかりやすい人は、血液中に含まれているホモシステイン濃度が高まっているという研究データがあります。

この背景に、ビタミンB12や葉酸の不足があるのではないかと考えられており、ビタミンB12が欠乏することでこれらの疾患の発症リスクが上がると言われています。

 

集中力・記憶力の低下

神経機能を正常に保つ働きがあるため、不足すると集中力や記憶力が低下しやすくなります。

また、無気力状態に陥ることもあります。

 

睡眠障害

睡眠ホルモンのメラトニンが上手く分泌されなくなり、不眠症などの睡眠障害を起こしやすくなります。

 

胃腸障害

細胞分裂が上手く行えなくなることで、胃腸のはたらきにも障害が現れやすくなります。

症状として、慢性的な下痢や食欲不振などが起こります。

 

摂りすぎると…

耐容上限量は設定されていない

ビタミンB12は、胃から分泌される内因子によって吸収量が調節されています。

そのため、基準値を上回るほどの大量のビタミンB12を摂取したとしても、生理的には吸収されないため、過剰症の心配はありません。

食物からビタミンB12を大量に摂取したことで、健康障害が発現したという事例は報告がないことから、上限量は設定されていません。

 

こんな人におすすめ

✓菜食主義やベジタリアンである

✓悪性貧血である

✓胃酸が少ない、胃腸が弱い

✓アルコールを好む

✓日常的に激しい運動をする

✓高齢である

 

多く含まれる食品

ビタミンB12を多く含む主な食品

食品名 1食分の目安量(g) 成分含有量(mg)
牛レバー 40(1切れ) 21.1
牡蠣 70 19.7
さんま 150(1尾) 18.6
鶏レバー 40(1切れ) 17.8
あさり 80(10個) 16.8
赤貝 100(1個) 14.8
ほたて貝 200(1個) 11.4
たらこ 60(1腹) 10.9

 

ビタミンB12は、レバーや魚の血合い肉などに多く含まれています。

また、牡蠣やあさり、ほたて貝などの貝類や牛乳、チーズなどの乳製品にも豊富です。

主に、動物性食品に多く含有されているビタミンです。

 

摂取するときのポイント

不足しやすいのは

ビタミンB12は、極端な偏食でない限りは不足しにくいと言われています。

ただし、植物性食品にはほとんど含まれていないため、菜食主義やベジタリアンの方は不足しやすく注意が必要です。

また、ビタミンB12が吸収される時には、胃壁から分泌される物質と結合する必要があります。

そのため、胃を切除した人やヘリコバクター・ピロリ菌に感染している人、胃液の分泌が少ない人などは、ビタミンB12の吸収が悪く、欠乏しやすくなります。

 

海藻類や発酵食品を取り入れる

ビタミンB12は、藻類や微生物によっても合成されるので、植物性食品の中では、海苔やもずくなどの海藻類、納豆や味噌などの発酵食品に含まれています。

野菜中心の食生活を送っている人は、ビタミンB12が不足しないように、海藻類や発酵食品を上手に取り入れるようにしましょう。

 

葉酸と一緒に摂る

また、悪性貧血予防のためには、ビタミンB12と同じような働きをもつ葉酸も一緒に摂るとより効果的です。

葉酸は、葉物野菜や海藻類、肉類の中ではレバーなどに豊富に含まれています。

 

調理・保存のポイント

ビタミンB12は光によって分解されやすいため、ビタミンB12を豊富に含む食材を保管する際は、光を遮断できる密閉容器を選ぶようにしましょう。

 

また、水に溶けやすい性質があるため、調理法としては煮汁ごと食べられるスープや汁物がおすすめです。

ビタミンB12は貝類に豊富なので、あさりやしじみなどを味噌汁やお吸い物に入れると効率的に摂取することができます。

 

添田(企画)

この記事を書いた人

添田(企画)

食べることが大好きな管理栄養士です。食と健康にまつわるお役立ち情報をお届けします♪

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