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2018年06月29日

【ビタミンB1】糖質の代謝に欠かせない栄養素|栄養成分辞典

添田(企画)

添田(企画)

ビタミンB1とは

 

ビタミンB1は、水に溶けやすい水溶性ビタミンで、別名「チアミン」や「サイアミン」とも呼ばれています。

じつは世界で初めて発見されたのが、ビタミンB1なのです。

米糠の中から脚気を治す成分として抽出されたのが、発見のきっかけでした。

 

ビタミンB1は、おもに糖質の代謝に関与しているビタミンです。

そのため、糖質から上手くエネルギーを作り出すために欠かせません。

不足すると、疲れを感じたり気力がなくなったりしやすいため、糖質の摂取が多い人や激しい運動をする人などは、ビタミンB1が消耗しやすく、意識的に補うことが大切です。

また、脳などの神経細胞もブドウ糖をエネルギー源としているため、頭や神経を酷使する人にも多くのビタミンB1が必要となります。

 

主なはたらき

・糖質の代謝に関与し、エネルギーの生成を助ける

・アルコールの代謝を助ける

・神経機能を正常に保つ

・疲労回復効果

・イライラや憂うつ気分を解消する

 

1日に摂る量

≪1日に必要とされる量 ※30~49歳成人の場合≫

・推定平均必要量:男性1.2mg、女性0.9mg

・推奨量:男性1.4mg、女性1.1mg

・目安量:なし

・耐容上限量:なし

 

※用語の解説はこちら

 

 
 

不足すると…

 疲労感・倦怠感

ビタミンB1は糖質の代謝に欠かせない栄養素なので、不足すると、糖質を上手くエネルギーに変えることができなくなってしまいます。

エネルギーを作り出せず、次第に「乳酸」などの疲労物質が体に溜まっていくため、「疲れやすい」「だるい」などの疲労感が強くなります。

 

物忘れ・いらいら・憂鬱な気分

また、ビタミンB1は別名「神経ビタミン」とも呼ばれるほど、神経の機能を円滑に保つ役割も担っています。

そのため、不足すると身体でなく精神面にも影響が出てきます。

物忘れがひどくなったり、憂鬱な気分に陥ったり、すぐにイライラしてしまったり……

このような状態がよく思い当たる時は、ビタミンB1不足のサインかもしれません。

 

手足のむくみやしびれ、動悸・息切れ

ビタミンB1不足が続くと、手足のむくみやしびれ、動悸・息切れ、感覚麻痺などが症状として現れます。

このような症状が、いわゆる「脚気」です。

脚気は、白米を食べる習慣が広まった江戸時代に多くみられ、「江戸患い」とも呼ばれていました。

それまでは粟や稗などの穀物からビタミンやミネラルを補えていたのですが、江戸時代に精米された白米ばかりをたくさん食べるようになったことで、ビタミンB1が欠乏し脚気が流行したようです。

食生活が豊かになった現代では、あまり聞き馴染みのないものになりましたが、今でもごはんやパンなどの主食だけで食事を済ませたり、お菓子やアルコールを多く摂ると、脚気の症状が起こりやすくなります。

 

摂りすぎると…

耐容上限量は設定されていない

食事やサプリメントによるビタミンB1の過剰摂取において、健康障害が発現したという事例は報告されていません。

また、ビタミンB1は水溶性なので、過剰に摂取したとしても余分な分が体外に排出されます。

そのため、比較的に蓄積されにくいということもあり、上限量は設定されていません。

体内に貯蔵しておくことができないので、なるべく毎回の食事の中で少しずつ摂るように心がけることが大切です。

 

こんな人におすすめ

✓お酒をよく飲む

✓お菓子や清涼飲料水を好む

✓加工食品やインスタント食品を選びがち

✓疲れやすい

✓日常的に激しい運動をしている

✓よくイライラしたり落ち込んだりする

 

多く含まれる食品

ビタミンB1を多く含む主な食品

食品名 1食分の目安量(g) 成分含有量(mg)
豚ロース肉 100 0.1
うなぎ蒲焼き 100(1串) 0.75
豚ヒレ肉 70 0.69
豚モモ肉 70 0.67
たらこ 60(1腹) 0.43
玄米ごはん 120 0.19
枝豆 50 0.16

 

ビタミンB1が豊富な食品として有名なのは、「豚肉」です。

特に、ヒレ肉やモモ肉などの赤身の部分に多く含まれています。

他にも、うなぎやたらこなどもビタミンB1が豊富です。

植物性の食品では、玄米や胚芽米などの穀類、枝豆や大豆などの豆類などに多く含まれています。

 

摂取するときのポイント

お酒を飲むときのおつまみを選ぶなら

ビタミンB1は、アルコールの分解にも使われるため、お酒をよく飲む人は不足しないよう意識して摂るようにしましょう。

お酒を飲むときにはビタミンB1も合わせて摂るようにすると、代謝がスムーズになります。

おつまみを選ぶときには、ビタミンB1が豊富な豚肉や豆類、ナッツ類がおすすめ。

枝豆や冷奴、レバー焼き、豚キムチなどはアルコール分解を手助けするおつまみに最適です。

 

ビタミンB1で夏バテ知らず

ビタミンB1は水溶性であるため、発汗量の多い夏場は汗と一緒に流れ出てしまいます。

また、暑い日が続くと、冷たくて甘い清涼飲料水・アイスクリームや、さっぱりしたそうめん・うどんなど、糖質中心の食事に偏りがちなため、ビタミンB1が消費されやすくなります。

夏場は特に不足しがちなビタミンB1ですが、疲労回復・食欲回復など夏バテ解消に効果的なはたらきがあるため、積極的に補っておきたいところ。

例えば、そうめんやうどんを食べる場合は豚肉をトッピングしたり、甘い物が欲しくなった時には加工品ではなく生のフルーツなどを選ぶようにしたりすると、ビタミンB1を補えるのでおすすめです。

 

調理のポイント

ビタミンB1は熱に弱いため、長時間の加熱調理で消失しやすい栄養素です。

加熱調理でビタミンB1を意識して摂りたい時は、なるべく加熱時間を短くすると消失を抑えることができます。

また、ビタミンB1は水に溶ける性質があるため、煮汁ごと食べられるスープや煮物にすると効率よく摂取することができます。

 

添田(企画)

この記事を書いた人

添田(企画)

食べることが大好きな管理栄養士です。食と健康にまつわるお役立ち情報をお届けします♪

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