ふるさと納税の仕組みを詳しく知りたい人
ふるさと納税制度って何?どこの自治体に寄附すればいい?
ふるさと納税の仕組み・メリットとは?
ふるさと納税の税金は例えば何に使われる?
ふるさと納税を詳しく簡単に説明してほしい!
ふるさと納税ってここ数年でよく耳にするワードかと思います。
しかし、よくわかってない人も多いのではないでしょうか。
周りにやっている人もいないし、他のサイト覗いてみたけど結局どんな制度がわからない人はこの記事で、『ふるさと納税の仕組み』『ふるさと納税のやり方』『ふるさと納税先の選び方』『寄附可能額』がわかるようになります。
最後まで一緒に勉強していきましょう。
目次
ふるさと納税ってどういう仕組みなの?
ここ数年で徐々に広まってきたふるさと納税。
ですが、まだまだ言葉だけは聞いたことがあるけど、実際にやったことある人や制度の中身を知っている人は少ないと思います。
この章では、そんなふるさと納税の仕組みについて説明します。
支払う税金を自治体の寄附へ回す制度
この制度は私たちが納める所得税や住民税の一部を自治体(都道府県や市区町村)への寄付という形に変更して納める制度です。
なお、ふるさと納税は「納税」という言葉が入っていますが、正確には自治体への寄附にあたります。
税金を先払いして、税金控除として戻ってくる流れ
ふるさと納税をすると所得税、住民税が控除(還付)されます。
※控除とは一定の金額を差し引くという意味で、還付はお金が返ってくることです。
確定申告の場合の流れ
- ふるさと納税をする
- 寄附金受領証明書を受け取る(基本はふるさと納税先の自治体から送られてきます)
- 確定申告期間になったら、確定申告をする。その際、ふるさと納税をした人が記入するべき項目にきちんと記入しましょう。
- 確定申告時に所得税額から所定の金額が控除される。また所定の金額が還付されます。
確定申告がいらない場合
- ふるさと納税をする(5団体以内)※6団体以上は確定申告の対象
- この場合のふるさと納税の際には、ワンストップ特例制度(ふるさと納税の際、確定申告が不必要になる制度)の申告用紙をふるさと納税先の自治体に送りましょう
- ふるさと納税をした翌年の6月以降に、住民税から所定の金額が控除される
返礼品として実質2000円で特産物をゲット
ふるさと納税一番の魅力といえば返礼品がもらえることです。
各自治体がふるさと納税のお礼として特産物を返礼品に指定しています。
ふるさと納税のしくみは、払った寄附金から2000円を引いた金額が控除(還付)されるものなので、それらの返礼品は実質2000円でゲットすることができます。
ふるさと納税のやり方!簡単に解説
ここでは、ふるさと納税のやり方の流れを解説していきます。
やり方を覚えて返礼品を受け取り、税金の支払いをお得にしてしまいましょう。
1.寄附可能額を調べる
下記は、寄附可能額(年間)の目安一覧です。
ふるさと納税を行う方の給与収入と家族構成別で表にしているので参考にしてください。
ふるさと納税が年間上限を超えた場合、超えた分の金額は控除の対象とならないので注意が必要です。
※表は住宅ローン控除や医療費控除等、他の控除を受けていない給与所得者の場合となります。
年金収入のみの方や事業者、ふるさと納税以外の控除を受けている方は金額が異なりますので注意してください。
※社会保険料控除額について、給与収入の15%と仮定しています。
※表はあくまで目安なので具体的な計算はお住いの市区町村へお問い合わせください。
ふるさと納税 を行う 本人の 給与収入 | 夫婦 | 共働き+ 子1人 (高校生) | 共働き+ 子1人 (大学生) | 夫婦+ 子1人 (高校生) | 共働き+ 子2人 (大学生と高校生) | 夫婦+ 子2人 (大学生と高校生) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
300万円 | 28,000 | 19,000 | 19,000 | 15,000 | 11,000 | 7,000 | – |
325万円 | 31,000 | 23,000 | 23,000 | 18,000 | 14,000 | 10,000 | 3,000 |
350万円 | 34,000 | 26,000 | 26,000 | 22,000 | 18,000 | 13,000 | 5,000 |
375万円 | 38,000 | 29,000 | 29,000 | 25,000 | 21,000 | 17,000 | 8,000 |
400万円 | 42,000 | 33,000 | 33,000 | 29,000 | 25,000 | 21,000 | 12,000 |
425万円 | 45,000 | 37,000 | 37,000 | 33,000 | 29,000 | 24,000 | 16,000 |
450万円 | 52,000 | 41,000 | 41,000 | 37,000 | 33,000 | 28,000 | 20,000 |
475万円 | 56,000 | 45,000 | 45,000 | 40,000 | 36,000 | 32,000 | 24,000 |
500万円 | 61,000 | 49,000 | 49,000 | 44,000 | 40,000 | 36,000 | 28,000 |
525万円 | 65,000 | 56,000 | 56,000 | 49,000 | 44,000 | 40,000 | 31,000 |
550万円 | 69,000 | 60,000 | 60,000 | 57,000 | 48,000 | 44,000 | 35,000 |
575万円 | 73,000 | 64,000 | 64,000 | 61,000 | 56,000 | 48,000 | 39,000 |
600万円 | 77,000 | 69,000 | 69,000 | 66,000 | 60,000 | 57,000 | 43,000 |
625万円 | 81,000 | 73,000 | 73,000 | 70,000 | 64,000 | 61,000 | 48,000 |
650万円 | 97,000 | 77,000 | 77,000 | 74,000 | 68,000 | 65,000 | 53,000 |
675万円 | 102,000 | 81,000 | 81,000 | 78,000 | 73,000 | 70,000 | 62,000 |
700万円 | 108,000 | 86,000 | 86,000 | 83,000 | 78,000 | 75,000 | 66,000 |
725万円 | 113,000 | 104,000 | 104,000 | 88,000 | 82,000 | 79,000 | 71,000 |
750万円 | 118,000 | 109,000 | 109,000 | 106,000 | 87,000 | 84,000 | 76,000 |
775万円 | 124,000 | 114,000 | 114,000 | 111,000 | 105,000 | 89,000 | 80,000 |
800万円 | 129,000 | 120,000 | 120,000 | 116,000 | 110,000 | 107,000 | 85,000 |
825万円 | 135,000 | 125,000 | 125,000 | 122,000 | 116,000 | 112,000 | 90,000 |
850万円 | 140,000 | 131,000 | 131,000 | 127,000 | 121,000 | 118,000 | 108,000 |
875万円 | 145,000 | 136,000 | 136,000 | 132,000 | 126,000 | 123,000 | 113,000 |
900万円 | 151,000 | 141,000 | 141,000 | 138,000 | 132,000 | 128,000 | 119,000 |
925万円 | 157,000 | 148,000 | 148,000 | 144,000 | 138,000 | 135,000 | 125,000 |
950万円 | 163,000 | 154,000 | 154,000 | 150,000 | 144,000 | 141,000 | 131,000 |
975万円 | 170,000 | 160,000 | 160,000 | 157,000 | 151,000 | 147,000 | 138,000 |
1000万円 | 176,000 | 166,000 | 166,000 | 163,000 | 157,000 | 153,000 | 144,000 |
1100万円 | 213,000 | 194,000 | 194,000 | 191,000 | 185,000 | 181,000 | 172,000 |
1200万円 | 242,000 | 239,000 | 232,000 | 229,000 | 229,000 | 219,000 | 206,000 |
1300万円 | 271,000 | 271,000 | 261,000 | 258,000 | 261,000 | 248,000 | 248,000 |
1400万円 | 355,000 | 355,000 | 343,000 | 339,000 | 343,000 | 277,000 | 277,000 |
1500万円 | 389,000 | 389,000 | 377,000 | 373,000 | 377,000 | 361,000 | 361,000 |
1600万円 | 424,000 | 424,000 | 412,000 | 408,000 | 412,000 | 396,000 | 396,000 |
1700万円 | 458,000 | 458,000 | 446,000 | 442,000 | 446,000 | 430,000 | 430,000 |
1800万円 | 493,000 | 493,000 | 481,000 | 477,000 | 481,000 | 465,000 | 465,000 |
1900万円 | 528,000 | 528,000 | 516,000 | 512,000 | 516,000 | 500,000 | 500,000 |
2000万円 | 564,000 | 564,000 | 552,000 | 548,000 | 552,000 | 536,000 | 536,000 |
2100万円 | 599,000 | 599,000 | 587,000 | 583,000 | 587,000 | 571,000 | 571,000 |
2200万円 | 635,000 | 635,000 | 623,000 | 619,000 | 623,000 | 607,000 | 607,000 |
2300万円 | 767,000 | 767,000 | 754,000 | 749,000 | 754,000 | 642,000 | 642,000 |
2400万円 | 808,000 | 808,000 | 795,000 | 790,000 | 795,000 | 776,000 | 776,000 |
2500万円 | 849,000 | 849,000 | 835,000 | 830,000 | 835,000 | 817,000 | 817,000 |
2.寄附したい自治体を選ぶ
寄附したい自治体の選び方はいくつかあります。
- 応援したい自治体から選ぶ
- 寄附金額
- 欲しい返礼品から選ぶ
- 返礼品の還元率を見てお得さで選ぶ
- 使いやすそうなふるさと納税のサイトから選ぶ
などです。
自分に合った選び方で、楽しみながら選んでいきましょう。
3.申し込みをする
寄附したい自治体を選んだら申し込んでみましょう。
北海道札幌市を例にあげますと、クレジットカード利用やネットから納付する場合、『ふるさとチョイス』か『楽天ふるさと納税』から申し込むように指示されています。
納付書で寄附したい場合は、札幌市のホームページ欄にあるふるさと納税のページに寄付申し出フォームがありますので、そこに必要事項を記入し送信してください。
書面で提出したい方はダウンロードして直接窓口へ提出、FAX、郵送、Eメールでも提出可能です。
その後納付書が届くので金融機関で払い込みます。
あらかじめ電話しておくことで、札幌市の窓口に直接払うことも可能です。
他の自治体の具体的なふるさと納税の方法は、自治体によって異なるのでホームページをご覧になるか、自治体までお問い合わせください。
ワンストップ特例制度を利用する場合は、上記に加えて申請書の提出が必要です。
ふるさとチョイス利用の場合は応募時にワンストップ特例申請書の送付にて「希望する」を選択すると送られてきます。
自治体へ直接連絡して送付してもらうことも可能です。
送られてきたら必要事項を記入し、早急に返送しましょう。
返礼品と証明書を受け取る
ふるさと納税をしたら返礼品と寄附金受領証明書(領収書みたいなもの)が送られてきます。
寄附金受領証明書は、確定申告の際に使用するので大切に保管してください。
紛失の際には、再発行してくれない自治体もありますので取り扱いに注意です。
ワンストップ特例制度or確定申告にて申請する
ワンストップ特例制度とは、確定申告の不要な給与所得者(仕事の対価としてお金を貰っている人)がふるさと納税をおこなう場合、確定申告を行わなくてもふるさと納税の寄附金控除(寄附をすると税金の支払いが少なくなる)を受けられる仕組みです。
特例を受けるには
- ふるさと納税をした自治体が5個以内
- ふるさと納税を行う際に自治体1つ1つにワンストップ特例の適用に関する申請書を提出する
といった条件があります。
ふるさと納税をした自治体が、自動的にやってくれるものではないので特に2つめの項目は忘れないようにしましょう。
また、ふるさと納税ワンストップ特例制度の適用を受ける方は、ふるさと納税をした翌年6月以降に発生する住民税の減額という方法で控除(ある金額から差し引くこと)が行われます。
所得税からの控除ではないところは注意です。
6団体以上にふるさと納税を行なった人や、下記に当てはまる確定申告をしなくてはならない人はふるさと納税の確定申告をしましょう。
- 給与所得がある方で年間収入が2000万円を超える人(給与とは各種手当や残業代等を含めた、いわゆる会社からもらえるすべてのお金のことを言います)
- 給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計が20万円を超える人
- 給与を2か所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)との合計が20万を超える人
- ※給与の収入金額の合計から、雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除以外の各所得控除の合計金額を差し引いた金額が150万円以下で、かつ、給与所得及び所得金額との合計額が20万円以下の人は、申告の必要はありません。
- 同族家族の役員やその親族などで、その同族会社から給与のほかに、貸付金の利子や資産の賃貸料等を受け取っている人
- 災害減免法により所得税等の源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた人
- 在日の外国公館に勤務する人や家事使用人の人で、給与支払いを受ける際に所得税を源泉徴収されないことになっている人
- 公的年金に係る雑所得のみで、公的年金とうに係る雑所得の金額から所得控除を差し引くと残高がある人(公的年金等の収入額が400万円以下かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる場合において、公的年金等に係る雑所得以外の各種所得金額が20万円以下である場合は、所得税の確定申告は必要ありません)
- 外国企業から受け取った源泉徴収されていない退職金がある人
- 各種の所得金額合計(譲渡所得、山林所得を含む。)から、所得控除を差し引き、その課税される所得金額に所得税の税率を乗じて計算した税額から配当控除額を差し引いた結果、残額のあるひと
参考:国税庁ホームページ
ふるさと納税の確定申告の方法は「ふるさと納税はメリット盛りだくさん!お得に利用する方法を解説」で詳しく述べていますので併せてご確認ください。
ふるさと納税をする自治体はどうやって選ぶの?
できることなら、最大限お得になるように寄附しておきたいというのが人間の性でしょう。
寄附可能額の目安はこの記事でも触れましたので改めてご確認ください。
複数の自治体に寄附することができるので、上手く組み合わせて可能額いっぱいまで利用しましょう。
応援したい都道府県や自治体から選ぶ
「今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた「ふるさと」に、自分の意思で、いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか」(出典:「ふるさと納税研究会」報告書)、そんな問題提起から始まり生まれたのがこのふるさと納税です。
地方で育った人が都会に集中し、税金も都会に集中しているため『都会で頑張る人たちを育ててくれた地方に税金が還元される仕組み』がふるさと納税の本当の意味ということになります。
ということで、自分を育てくれた自治体から選ぶのも良いでしょう。
ちなみに、ふるさと納税には、『ふるさと』という言葉が入っていますが自分が生まれた自治体や関係のある自治体のみしか寄付できないわけではありません。
どんな自治体でも寄附が可能です。
さらに、「ふるさと納税により集まった寄附でこんなことをやります」と、自治体はいくつか事前に公表しています。
使い道を指定して寄附をすると、応援している感が湧いてきますね。
このようなことを参考に、個人的に応援したい自治体に寄附するのもいいかもしれません。
ふるさと納税の寄付金額から選ぶ
できることなら、最大限お得になるように寄附しておきたいというのが人間の性でしょう。
寄附可能額の目安はこの記事でも触れましたので改めてご確認ください。
複数の自治体に寄附することができるので、上手く組み合わせて可能額いっぱいまで利用してください。
欲しい返礼品から選ぶ
ふるさと納税が流行った最大のメリットが、この返礼品をもらえるということでしょう。
各自治体のホームページに返礼品のラインナップがあります。
また、「さとふる」「ふるなび」などではおすすめやどんな返礼品があるのか検索できるようにもなっています。
北海道は海の幸が返礼品になっているところが多い印象です。
また、山梨県甲府市はシャインマスカット、山形県寒河江市ではさくらんぼなど、地域の特産を活かしたバラエティーにとんだ返礼品が用意されています。
せっかく寄附するのですから、手に入れたい返礼品を軸にふるさと納税をする自治体を決めるのもいいかもしれません。
返礼品の還元率で選ぶ
いくら返礼品が貰えるからといって1万円寄附して、1000円くらいのものしか貰えないと逆になんだか損した気分になる人もいるでしょう。
そんな時は返礼品の還元率を考えて選ぶのも一つの手です。
ちなみに、還元率が高ければ高いほど選ばれやすくなり、自治体間の還元率競争が起きたため、現在の返礼品は寄付金額に対して還元率3割以下にすることという制度が作られてしまいました。
しかしこれは商品の調達金額が3割以下ということなので、市場に出回る金額よりはるかに安く調達できているものもたくさんあります。
すなわち、返礼品には市場価格から見ると超お得なものがゴロゴロしているということです。
還元率ランキングなどネットで情報を流してくれているものもあるのでチェックしてみると良いかもしれません。
ふるさと納税のサイトから選ぶ
自治体によっては使用できないふるさと納税サイトもあります。
ですから、寄附したい自治体が推奨する納税サイトから選ぶのも方法です。
特に自治体が決まっているわけじゃない人は、サイトの使いやすさで決めるのもいいでしょう。
「ふるさと納税おすすめのサイトは?」にくわしく載っていますので併せて確認してみてください。
早速、ふるさと納税の寄附可能額を計算してみよう
控除の対象となるふるさと納税の額は、総所得金額の40%が上限です。
ですから寄附可能額の計算式は「自分の総所得金額×0.4」ということになります。
また、ワンストップ特例制度の利用者は「総所得金額×0.3」が上限となるので実際に計算してみてください。
※具体的な計算は、お住いの市区町村にお問い合わせください。
まとめ
こちらの記事では
- ふるさと納税の仕組みや流れ
- ふるさと納税のやり方
- ふるさと納税をする自治体の選び方
- 寄附限度額の算出方法
が学べました。
ふるさと納税はよく耳にするワードでしたが、実際にどんなものかはよくわからない部分が多い制度です。
返礼品が貰えるということだけが独り歩きしていたように思えます。
しかし、きちんと調べて知識をつけることで税金がお得になり、さらには返礼品も貰えて自治体を応援することにもなる素晴らしい制度です。
ワンストップ特例制度を使えば確定申告も要らず、控除までの流れはわかりやすいものでした。
なんだか、手続きが難しそうだなという理由だけでやらないのは非常にもったいないので是非チャレンジしてみてください。